【独身戦記_第8話】平日昼間からクレーンゲームで2万円使った話

日記

昼間からゲームセンターに行った。

代休を取って仕事を休み、10時ごろにゆっくりと目を覚まし、何気ない気持ちで平日の昼間からゲームセンターへ行き、クレーンゲームに没頭して、2万円を使った。

後悔はない。

なにも得られなかったわけじゃない。

戦利品だってある。

後悔なんてあるわけない。

後悔なんて…………

っていうかねー、

最近のクレーンゲーム難しすぎ!

景品2個とるのに万札2枚も使うとは夢にも思わなかった。

景品1個に1万円計算。

なんなら夢であってほしかった。

しかも景品2個中、どっちも自力じゃない。

ほとんど店員パワー。

店員パワーがなければ青天井コースだった。

決して弱音を吐いたわけじゃない。

そんなそぶりを見せたわけでも

ましてや助けてなんて言うはずもない。

まだまだこれから……

まだ戦えるって表情をしていたはずなのに。

それはゆっくりと近づいて、心配そうな表情を浮かべながら、

「お手伝いしましょうか?」って。

声をかけてくれた店員は20代そこそこの可愛らしい女性の方。

かたや自分はというと37歳。これでも場所が場所なら「課長!」って慕われたりもしている。

どんな困難な状況だって、大変な仕事だって、誰もが無理だと言った修羅場だって、幾度となく超えてきた。

百戦錬磨……一騎当千……

そんじょそこらの若造と一緒にしてもらっては困る。

まだ戦える。

それに、まだまだ勝機はある。

しかし……

欲しい景品は2つある。

のうち、一つ目の景品すら取れていないこの状況で、すでに投資は6千円オーバー。(というお金溶けるのはやすぎっ!)

店員が心配そうな目で俺を見つめる中、俺は財布に目を落とし、しばらく考えたのち、

「……お願いします……」

苦渋の決断だった。

ちなみにクレーンゲームの種類はいわゆる「橋渡し」と呼ばれるタイプ。(橋渡し、クレーンゲーム、 とググればすぐでるので、知らない人は調べてみてくれ)

店員さんが鍵を開け、撮りやすいように景品の向きを斜めに変え、箱の2点だけがギリギリ橋に引っかかっているような状態に。

なんなら、もうほとんど落ちてますやん、ってくらいきわどい位置に変更をしてくれた。

しかし、ここで油断しないのが俺。

「ちなみにこれ、どこ狙えば取れやすいですか?」

ここまできたらプライドもへったくれもない。

店員は丁寧に「この角を狙えば素直に取れると思いますよ~」と。

俺はすべての誇りを捨て深々と頭を下げ、百円硬貨を2枚入れる(1プレイ200円)

ここまで助けてもらったんだ。

あの店員さんのメンツのためにも、外すわけにはいかない。

というよりこの状況、景品の見た目手にはもはや、獲れないわけがない。

だって、もうほとんど落ちてるんだもん。

戦う前に瀕死。

なんでそれで落ちてないのか不思議なくらい。

重力に逆らっている。

この状態でクレーンのアームを突っ込ませるとか卑怯なレベル。

「………………」

いやいや、なにを言っている。

もうすでに6千円オーバーだ。

なんなら買った方が安い。確実に安い。

こんな可愛い景品のくせして、まるで悪魔。

悪魔的なクレーンゲーム。

これ以上、俺の資産を崩させるわけにはいかない。

甘えちゃいけないんだ。

心を鬼に……

俺は精神を研ぎ澄ませ、クレーンのアームを動かす。

店員が言っていた狙いの場所目掛け……その場所に停止を……

「あっ……」

若干ずれた。

狙いの場所から若干……

まあいい。

ミスは誰にだってある。

それに、俺には金がある。

二の矢、三の矢……

もうここまで来たら百の矢だって……

そう考えている俺の目の前をクレーンのアームはゆっくりと下降するも、やはりずれている分が致命的で、獲れる気配はなく……

「――ん?」

ことはそれだけじゃなかった。

目の前で起きた事象を説明すると、先ほど店員さんが獲りやすい場所においてくれた景品。それを、確実に獲りにくい場所へと運んだ。

極端に言えば、初期の位置に近い方へと戻したのだ。

……冗談じゃない。

いまさら敵に塩を送っている場合ではないのだ。

ついさっき塩を送られてきたばかりなのに、すかさず塩を送り返すという愚行。

あれだけ獲りやすい位置に置いてくれていたはずなのに……

この状況を店員に見られるわけにはいかない。

なんであれで獲れないの?

大サービスだったはずなのに?

蔑んだ目をされるのは目に見えている。

……それは嫌だ。

「………………」

なんとしても店員がまたここに巡回してくる前にケリをつけなくては……!

俺のコスモは燃えていた。

俺は焦ってクレーンを動かす。

とにかく早く!

あの店員が来る前に!

そして――

「……なにがあったんですか?」

ほとんど初期位置に景品が戻ってきている状況を見て、店員が言う。

ほんと、なにがあったのか俺が聞きたい。

「正直覚えていないんですけど……」

苦し紛れに答えた。

それから数回、店員のお手伝いを受け、投資1万にもなろうかというころようやく景品を一個ゲット。

まあその後のことはあまり覚えていないのですが、もう一個欲しいのがあったのでその勢いのまま別のクレーンゲームに移動。

デジャブかと思わせるやりとりを繰り広げたあと、投資金額もデジャブで2倍、合計2万円になりましたとさ。

どんだけライザ好きやねん!って話だけど。

帰る途中は2万円か……って後悔もややあったわけだが、家に着いたらなんてことはない。

ライザ可愛い!最高ーーー!

ちなみに、クレーンゲームなんて行ってる暇ない!だけどフィギュア欲しい!

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きっとあなたの推しも見つかるはず。

取り急ぎ、誰かクレーンゲームのコツを教えてくれー!


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